「この建物、なんだろう?」
地元の方は幼稚園だと理解されていますが、少し離れたエリアの人たちが通りかかると、たまに尋ねられることがあります。
建物を介して子どもたちの教育への気付きを促したい、その一点を最も大切にしてこの園舎を建設しました。
子どもたちの「これは、なんだろう?」という好奇心を育むこと、身体をめいっぱい使って遊ぶ中で、生きる上で大切なことを学んでいくこと。この園舎には、そのための工夫が随所に織り込まれています。
3・11の経験から
2011年3月に起きた「東日本大震災」は、改めて防災の重要性を考える大変重要な機会になりました。
そこで、有事の時に備えた避難階段や避難滑り台、これを日常の遊具としても活用するアイデアを採用しました。
アトリエバレーナ幼稚園の避難滑り台は園庭に向かって設置されています。
子どもたちの身近なところに避難経路があることは、パニックになりやすい緊急時ほどその真価が問われるのだと考えています。
安心・安全をテーマに
すべての教室には、二方向避難経路を用意しています。いざという際に、片方の避難経路が使えない状況が発生した場合の可能性を考慮したためです。
こういったかたちで「子どもたちの目線での安全な環境」を整備しています。
キッズデザイン賞を受賞
元建築デザイナーの理事長(いぬかい良成)のデザインした当園の園舎が、2015年にキッズデザイン賞を受賞。
「安心・安全」を評価されました。
自動換気システムでいつでもフレッシュな空間を
園舎内のすべての教室には自動換気システムが配備されており、常に空気の循環をすることにより感染症対策にも配慮されたデザインとなっております。
日常ではあまりない体験を
子どもたちが最初に入ってくる園舎のエントランスは、吹き抜け構造を採用しています。
天井高の高低差を創って開放感を演出。子どもたちがなんとなく楽しくなるそんな気持ちを育てたい。また吹き抜け中央部分に植物を置き、子どもたちが樹を上から見る。日常ではあまりない体験を提供できればと考えました。
採光が十分取れる広い廊下
子どもたちは、汗っかき。皮膚にある「汗腺」は大人と同じ数だと言われています。そのため各教室には直射日光が入らないよう設計しています。
同時に、太陽の光とその明るさは、子どもたちの心を大きく弾ませます。採光が十分取れるよう教室の前に大きな廊下を設置し、廊下を介して十分な光を取り入れています。
遊び心いっぱいに
正課や課外の決められたカリキュラムだけではなく、リラックスして自分の好きな本が読める。
そんなスペースを創りたいと考えて、ライブラリー&フリースペースを設けています。
アトリエバレーナ幼稚園ではレッジョエミリア教育の影響もあり、直接イタリアより現地の特徴的な室内遊具を輸入し配備することにより
それらの遊具で遊んだり子どもたちが寝転がって楽しそうに本を読んでいる光景をよく目にします。
また、見下ろすと、エントランスホールの植物やお友だちが見える、「大きな覗き穴」のようなイメージに仕上げています。
園内を360度パノラマで見渡すことができます。写真の上でマウスでクリックしたり動かしたりして、園内の様子をご覧ください。